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「ユダヤ系」と「ユダヤ色の強い」という言葉についても厳密で、金融機関について論じるさいに、次のような基準を設けている。 しているか、あるいは社の収益を一手に稼ぎ出している。
彼らは対外的にも著名で、社を代表する「顔」となっている。 すべてを満たす金融機関が「ユダヤ系」であり、二つを満たすも布のが「ユダヤ色が強い」と形容されるわけだ。
こうした基準を、常に意識していないと、ただ単に「会った」とか「接触した」とか「知り合いだった」というだけで共謀しているかのように論じてしまうことになる。 これまで述べてきたことと矛盾すると思う読者がいるかもしれないが、いま世界金融経済に参加しているユダヤ系の人々の間に、まちがいなく一つ「共通する利害」が存在する。
それはほかでもない、この二十数年の間にアメリカを中心として作り上げられてきた、投資銀行、各種ファンドが中心となって機能する金融市場経済の存続である。 九八年、ロシア政府の財政破綻が明らかになったとき、そのあおりを受けてソロモン・ブラザーズ出身のジョン・メリウェザーが率いるLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が破綻した。
このヘッジファンドにはマイロン・ショールズ、ロバート・マートンというノーベル経済学賞受賞者が二人もいたので、世界は憎然としたものだった。 そのままLTCMを破綻させてしまえば、LTCMに投資していた金融機関の投資が焦げ付いて、影響が金融市場にあっという間に広がる危険があった。
ニューョーク連邦バンカーズ・トラスト、ベア・スターンズ、チェース・マンハッタン、ゴールドマン・サックス、J・P・モルガン、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、モルガン・スタンレー・ディーンもウィッター、ソロモン・スミス・バーニー。 ここにはユダヤ系の銀行もあれば非ユダヤ系の銀行もあるが、調整を図るのは並大抵のことではなかった。

LTCMが破綻すれば膨大な損失を被るところもあれば、そのまま潰れてくれたほうが儲かるところもあったからだ。 結局はそれぞれの利害より、「金融システムの信任を取り戻す」という共通の利害のほうが勝った。
ジョージ・ソロスも現在の金融市場は維持したいまた、ヘッジファンドのジョージ・ソロスは、しばしば金融システムは完全ではなく、その改革が必要だという発言をするので、現在のマネー・ゲームを嫌う論者は彼を高く評価する人もいれば、逆に「ソロスは偽善者だ」と批判する人もいる。 いずれの場合もソロスの「本音」を掴んでいないというべきだろう。
世界金融経済に参加しているユダヤ系の金融ビジネス関係者は、これまで築き上げてきた現在の金融市場の「仕組み」については、ほとんどの参加者が共通の利害を持ち、その存続を目標としていると考えるべきだろう。 ただし、この点については非ユダヤ系金融機関も古ソロスは現在の金融システムで巨額の利益を得ることをやめたわけではない。
ブームとバースト(破裂)を繰り返す金融市場そのものに道徳はないから、道徳は別のところからもってこなくてはならないというのが彼の主張だ。 以前、モルガン・スタンレーの投資ストラテジストであるバイロン・ウィーンによるインタビューのさい、銀行のデリバティブは情報公開し、危険なものは禁止すべきだと発言して驚かせた会ジョージ・ソロス』七賢出版)。
このインタビューはそのあとに次のようなやり取りが続く。 市場の変動から利益を得てきた市場参加者であるあなたが、そこまで大胆な政策を提唱するとは、まったくもって意外ですね。
いや、私だって、金融市場自体が崩壊してしまっては困るからさ。 財閥も、もちろん利害を共にしている。
ちなみに、アメリカの一時代を画した富豪たちの子孫も、先祖の残してくれた財産を運用するさいには、その時代で最も有利な投資法や投資先にお金を出す。 ヴァンダービルト家であろうと、アスター家であろうと、ロックフェラー家であろうと同じことだ。

だからといって、彼らが世界金融経済をいまも仕切っていると言ったら笑われるだろう。 現在のこうした世界金融経済は、現在の「仕組み」が自分に有利な金融機関や政府機関、さらには国際機関が存続のための調整を行ない、多くの参加者を集めることで維持されている。
では、そうした政府機関や国際機関を動かしているのは何者なのか。 この「謎」については次章で検討することにしよう。
アメリカの連邦準備銀行は民間なのに、なぜ通貨が発行できるのか世界中にある国の中央銀行の任務はそれぞれ異なるが、任務を果たすために行なう基本的な方法は、公定金利の上げ下げと通貨供給量のコントロールだ。 公定金利を上げれば市場の金利も上がって借りる人が少なくなり、下げれば多くなる。
通貨供給量を増やせばお金が手に入りやすくなり、減らせば手に入りにくくなる。 こうした中央銀行がもつ手法は、それ自体は理解しやすいものだが、では、その権限の源泉がどこにあるのかという問題を考えようとすると、急に「謎」めいてくる。
お金の回り具合を支配する中央銀行に、そうした権限を与えているのは誰なのかというわけだ。 多くの人は、中央銀行の総裁が大統領や首相に指名されるので、中央銀行は国立のものだと信じ込んでいる。
そのため、アメリカの中央銀行にあたる連邦銀行や日本銀行が株式を公開している「民間企業」だと聞くと、驚いてしまうのだ。 中央銀行は民間企業なのに、国民全体の経済にかかわる通貨を支配している。
ここには何か秘密が隠されているに違いないと思っても不思議はない。 アメリカで圧倒的に多い「中央銀行何者かの陰謀」説は、やはりユダヤ人陰謀説だろう。
そもそも連邦準備銀行を創設するさい多くのユダヤ系資本家たちがかかわっていた。 いまも金融界はユダヤ人が完全に支配通貨の支配陰謀説に見られる「論理」を分析するこうした、通貨は何者かが支配していて、自分たちの目的達成のための手段にしているという説の典型的な例が、G・エドワード・グリフィンの『マネーを生みだす怪物」(草思社)という本だろう。
当時、アメリカには中央銀行は存在せず、そのため銀行が取り付け騒ぎに見舞われると、しているではないか、と言うわけである。 日本でも似たような日銀陰謀説がさかんに唱えられた。
不況が長くなったものだから、日本銀行が通貨供給量を意図的に抑えて、日本経済が活性化するのを阻止していると言われると、そうかと思ってしまう。 さらには、八○年代のバブルも日銀が意図的に行なったことであり、九○年のバブル崩壊も日銀の陰謀だという話にまで発展してしまうのだ。
中央銀行もIMFも世界銀行も、みんな陰謀なのか「世界銀行の政策文書の大半は経済問題に終始しているが、その行動をよくよく観察すると、あっという間に破綻し、それが他の銀行にも波及することが多かった。 そこで中央銀行の制度をつくって個々の銀行に規律を課し、破綻に瀕する銀行があっても危機が広がらない仕組みを作るというのが目的だとされていた。

本書の著者G・エドワード・グリフィンによれば表向きの話で、実は別の目的があったのだ。 この連邦準備制度(FRS)というのは、公的な制度のように見えるが、民間の銀行がいくら融資を拡大しても銀行業界全体が危機に陥らないため、自分たちで出資して作った「カルテル」なのだという。

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